ファミリーリサイクル店長のブログ

岐阜県可児市を拠点に出張買取をやってるファミリーリサイクル店長のブログです(^^)/

純金製茶碗が盗まれた事件は私たち買取店のモラルが問われた気がする・・・

先日、日本橋高島屋で開催された「大黄金展」の会場で、純金製の茶碗が盗まれるという事件が発生しました。

この事件に関連し、窃盗容疑で逮捕された男性が、江東区にある買取店で盗んだ品を売却していたことが報道されています。

逮捕された男性だけでなく、品物を買取った店舗も非難を浴びています。

 

この買取店が非難を浴びている理由は、大きく2つあります。

まず1つ目は、買い取った商品が盗まれたものではないかという疑いを持たなかったことです。

古物営業法第15条3項には、盗品の可能性がある場合には警察に報告義務があると定められています。

事件が発生した当日であっても、32歳の男性が高価な純金製の茶碗を持ち込んだ際、なぜこの買取店は何の疑問も持たなかったのでしょうか。

もしもすぐに転売してしまえば、盗品であっても、返却義務から逃れられると考えたのかもしれません。

しかし、このような対応は、古物商としての倫理が疑われても仕方がありません。

2つ目の理由は、買取価格が異常に低かったことです。

事件当日の4月11日における田中貴金属の店頭買取価格は、1グラムあたり1万2577円でした。

盗まれた茶碗は約380グラムと言われ、相場価格では約480万円弱になります。

しかし、実際にこの買取店は約180万円で買い取り、別の業者に約480万円で売却し、約300万円の利益を得たと言われています。

このような事実から、この買取店が商品の状態を見積もって査定額を低く提示した可能性が考えられます。

リユース業界は、モノを現金化することで、過去に窃盗などの犯罪行為を助長する温床として批判されてきた歴史があります。

そのため、買取時には依頼者に疑わしい点がないか、十分に注意を払う必要があり、盗品と思われるものは買い取らない取り扱いがリユース店には期待されています。

 

このような状況が生じた場合、盗品の取り扱いを阻止するよりも、金稼ぎを優先するお店が増加し、健全な競争が損なわれることになります。

さらに、犯罪に加担する形で買取店が関与することになるかもしれません。

その結果、古物営業法が事業者にとってより厳しく改正される恐れもあります。

また、古物商の社会的信用が低下し、業界全体で買取の依頼が減少する可能性も懸念されます。

すでに他の買取店では風評被害が発生しているとの報告もあります。

したがって、買取店だけでなく、商品の取引先や古物市場など、リユース業界に携わる企業が協力し、盗品の流通を阻止するための自己浄化メカニズムが機能しなければ、健全なリユース業界の成長は見込めないのかなと思いました。