4月18日、消費者庁が発表した情報によると、景品表示法の運用基準が改訂され、物品の買取りに関する取引も同法の規制対象に含まれることが明らかになりました。
これまでは物品の買取りについては景品表示法の対象外とされていましたが、最近ではサービスのニーズが高まり、これに伴い消費者トラブルも増加していることが問題視されています。
これにより、私たち古物の買取を行う事業者は、広告や取引方法などの運用に関して迅速に見直す必要があるかもしれません。
景品表示法は、消費者を守るために作られた法律で、広告や販売時に景品を提供する際の規制を定めています。
この法律は、誤解を招く広告を規制したり、消費者に過剰な景品を与えることを禁止したりしています。
かつては、古本の買取は「取引」に含まれないため、景品表示法の対象外でした。
しかし、最近では買取サービスが普及し、広告で表示された金額と実際の買取金額に大きな乖離があることから、消費者トラブルが発生しています。
例えば、広告に惹かれて持ち込んだ商品を実際には買い取らない場合や、買い取っても広告の金額より安く買取られるケースがあります。
2022年4月14日に行われた第2回景品表示法検討会では、買取業者が「価値がない」として0円査定や安く買い取ることがあり、消費者には専門知識がないため、適正な金額かどうか判断できないとして、国民生活センターから指摘がありました。
買取業者が行うチラシやホームページにおいて、法的に問題とされる可能性がある内容を詳しく説明します。
景品表示法では、虚偽の広告や不当な景品の提供が禁止されています。
よくある問題の一例として、他社よりも高額で買い取りますというような内容や買取業界1位といった偽の表示が該当します。
このような場合、客観的な証拠(第三者機関の調査結果など)が示されている必要があります。
また、「買取キャンペーン!査定額を期間限定で20%アップ」といった宣伝をしておきながら、実際には期間が終了しても同様のサービスを提供している場合も、不当な誘い込みとして問題視されます。
買取業者のチラシやホームページでは、過去の買取実績として商品や金額を掲載していることがよくありますが、実際の買取金額との乖離が大きい場合も問題視される可能性があります。
たとえ実際の金額と異なる場合があるという注釈があったとしても、実際の金額と大きく異なる場合は法的に疑わしいです。
そして、買取金額を保証しますと宣伝しつつも、実際には保証されませんといった注釈がある場合も法的に疑わしいです。
さらに、買取成立時などに提供するサービスやプレゼントについても、気を配る必要がありますね。
景品の提供には過度なものはNGで、抽選で提供する場合には、取引価格が5000円未満の場合は、取引金額の20倍まで、5000円以上の場合は最大で10万円までという規制があります。
全員にもれなく提供する際には、取引価格が1000円未満の場合は200円まで、1000円以上の場合は取引金額の20%までと決まっています。
さらに、ステマにも気をつけなければなりません。
令和5年10月からは規制されており、インフルエンサーやSNS上で買取の宣伝をして報酬やギフトを提供する場合には、広告やPRを表示する必要があります。
もし景表法違反の疑いがあると消費者庁や都道府県の知事から資料提出を求められることがあります。
その際は客観的に実証された資料を一定期間(通常は15日程度)以内に提出しなければなりません。
違法行為が確認された場合には、措置命令と課徴金納付命令が課され、前者の場合は再発防止策が求められ、消費者庁のウェブサイトで企業名が公表されます。
さらに、虚偽の報告や命令に違反した場合には、懲役2年以下または300万円以下の罰金(両方が適用されることもあります)が科せられます。
課徴金納付命令の場合には、通常、不当な表示があった商品やサービスの売上の3%相当額を支払うよう命じられます。
とにかく、私たち買取業を行う事業者は速やかに自社のチラシやホームページ、SNS、看板などの広告の表現方法を今一度確認することが重要だと思います。